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参議院選挙を前にして

今回は国民新党に注目している。小泉−安倍と続いている内閣によって、独立国となるべく目標を捨てて米国の奴隷国家への道を走り続けている。奴隷国家はちょっと言い過ぎではないのかとつっこまれるかもしれないが、実質的には米国の1つの州どころではない、意思を持たない奴隷のような状態である。なぜなら、一定の制約はあるが、州ならば連邦政府に気兼ねせずに独自に州法を決めることができる。しかし、我が国の現状はどうか。
 
早いもので、先の参議院選挙から三年が経った。今回の選挙を踏まえて、それぞれの政党を概観しつつ、なぜ国民新党に注目しているのか述べてみたい。
 
まず、既存の政党である、共産党、社民党、民主党、公明党、自民党について考えてみたい。
 
 
共産党 ================================
 
 先の皇室典範改正問題についてを踏まえると私としては決して容認できない党である。また、ワーキングプア問題が象徴的な格差問題についても、まず労働市場を健全化することが必要であるが、この党は何も独自の法律案や政策の立案を行なっていないように思う。
 
 素人の私が考えるに、派遣業法の改正によって、認可制からネガティブリスト制に変更された事がそもそも始まりであり、その原因の根幹を為しているが、この政党はだされた提案について”反対”を貫く固い信念を持っており、最近で唯一賛成したのは皇室典範改正による皇室の破壊ぐらいである。
 
 しかし、絶望的な選挙区でも律儀に候補を立てる実直さは見習わなくてはならないのかもしれない。とは言うものの、候補を立てずに野党共闘に徹すれば民主党等の野党候補が当選できるかもしれないのに、無党派層の票を割り、みずからの支持者の票を渡さずに、自民党候補以外の候補の勢いを削ぐような態度は、自民党に加担しているようにも映るときがある。極端な話、この党の上層部は自民党とお友達モードで、根っから歯向かうつもりがないのかと勘ぐりたくもなる。もしそうだとすれば、この党ほど、国民、とくに支持者を裏切っている党はないと思う。
 
 
 
社民党 ================================
 
 よくまあ、労働者を下手なウソで騙し続けてきたと思う。そう思うようになったのは、議席数が減ったために政党交付金が激減した際に、党の職員(といえども労働者)をためらいも無く切り捨てた、その態度には、沸々と怒りが込み上げてきた。平素、「労働者の味方!」と口当たりのいい事を公言しておいて、いざ自分の党が危うくなると、議員である自分達は何も削らずに、さっさと職員を削減した態度には唖然としてしまった。さすが、阪神大地震の際に、自衛隊の緊急派遣に躊躇して被災者を見捨てて、みずからの主張を貫いた党だけの事はある。
 
 今回は、”護憲!”を標語に選挙戦に臨むようだが、日米安保破棄を主張しつつも九条護持を唱える、そのバランス感覚のなさには、ふぐの毒以上に痺れるものがある。もし万一、ひょっとして、政権を取った暁は、中国、北朝鮮、ロシアとの集団的自衛権を認めるべきだと主張するのではと妄想してしまう。
 
 また、共産党と同じ皇室典範改正に対する態度を取った以上、私としては選択肢には入らない。
 
 
 
民主党 ================================
 
 この党、はっきり言って、何を目標として何をしたいのか判らない。今回の参議院選挙の立候補者に同性愛支持の人間を加えたり。。。

 そもそも、自民党では主流から外れた人間と社会党の中で万年野党に飽きた人間が、あわよくば政権を取って権力(金銭も含めて)の恩恵に浴したいと、数合わせでできた党のようになってしまったと思う。まず数合わせを考えるから、人気の取れる候補であれば誰でもという印象が強い。中には松原 仁氏、河村たかし氏のように庶民派の議員も抱えているが、党の主流はこれらの議員の主義主張から外れているように思う。なんとなく、かつての社会党のように「とりあえず反対!」を唱える党に成り下がってきた感がある。

 この党、じつは自民党以上に米国帰りの人間を議員候補に立てているような気がするのは偏見だろうか。
しかし、その点を踏まえると、この党が存在している理由が憶測できる。あくまで推定ではあるが、この党は、自民党が米国の言いなりにならなくなった時、あるいは自民党が与党から滑った時のために用意された隠し球ではないのだろうか。得する度合いの違いは在るにせよ、奴らは常にどちらになっても自分たちが得になるように策略を巡らす。

 烏合の衆という印象が強く、例え与党となっても自民党と変わらないように思う。むしろ、今の自民党以上に米国追従の態度を取るような気がする。
 
 
 
公明党 ================================
 
 この党が、創価学会という宗教法人を背景にして勢力を延ばしてくるに従って、日本の政治は混迷を極めて来たように感じる。

 戦後日本の政治における政教分離を決定的に空洞化させたと思う。道鏡という僧侶が、称徳天皇にとりいって、皇位の譲位を迫った事件を思い出す。当時、天皇は権威であり、政治の権力を左右する存在であった。その皇位を一人の僧侶が掠めとらんとしたことは、まさに宗教が政治に介入しようとした最初であり、以来我が国では不文律としても政教分離を目指してきたように思う。
 
 平和を希求する国民の心に付け入って野党として勢力を延ばしたあげく、自公連立で政権を奪取した後は、イラクへの自衛隊の派遣を認めて党としての公約をあっさりと反古にしたのみならず、福祉を推進と唱っておいて、小規模の診療が不利になるように医療制度の改正し、障害者や高齢者への国の補助を削減した。この政党こそ、まさに権力を取ることが目的であって、公約は単に票集めの手段にすぎなったと言えると思う。
 
 本来、政党とは、国民の厚生を増進し、財産を増やし、安心して暮らせるための公約を実施することが目的であって、権力は実現の手段でなくてはならないはずだ。しかるに、その逆を行なっている現状から判断するに、この党は何か別の意図を持って権力を得ようとしているように見える。
 
 
 
自民党 ================================
 
 まったく退廃した党になったものだと思う。敗戦の後の数年間目指していた、連合国の占領が終了次第、憲法を改正して名実ともに独立するという気迫は無くなり、ただ米国に追従するだけになったのみならず、我が国が奴隷国家になった際には、米国に雇われた番頭になりたい連中のたまり場になってしまった。米国に雇われた番頭になりたいのは民主党に居座る大半の連中にも言える事だが、自民党の戦後日本での立場を考えてみれば、この党の怠慢は責任が重い。
 
 最近、森田実氏の「アメリカに使い捨てられる日本」という書籍にて興味深い箇所を読んだ。岸信介が出現するまでは、我が国は憲法改正、非アメリカ化を実現することを目指していたが、岸信介の前の石橋湛山が急な病に倒れて短命内閣に終わり、岸信介が権力を握った際に我が国はアジア志向から米国志向に大きく舵を切ったとあった。

 岸信介もA級戦犯であった。しかし、米国の対日政策の変更によって保釈されて政界に復帰した。今日の我が国の有様を考えるに、対日政策の変更とは言え、保釈の条件として米国のための工作を請け負ったのではないのかと疑いたくもなる。また、その事を前提に考えれば、その孫の安倍晋三が米国盲従をするのも頷ける。

 ちなみに、森田実氏の「アメリカに使い捨てられる日本」という書籍には、この他にも色々と述べられており、学ぶところも多い。参議院選挙の前に、ぜひ一読すべき書籍の一冊として推薦したい。
 
 話を元に戻すが、そのような米国の番頭を目指す人間の集団には何も興味も期待も寄せられない。のみならず、今や自民党単独では候補者の票を集めることができず、公明党の背景の創価学会の力で辛うじて当選を確保しているような現状では、もはや死んだも同然の党であろうかと思う。
 
 
 
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 次に、そのような亡国を導きかねない国会議員が跋扈する中で、国民新党に期待する理由を説明してみたい。

 この党の特色は、保守を標榜しつつ、米国とは一線を画する立場と取っており、国民の厚生を増進して国民全体がそれぞれ財産を増やして、そして安心して暮らせることを公約に掲げている点だろう。

 戦争を生き延びた戦前・戦中の教育を受けた方々が、サンフランシスコ条約後に敗戦の復興のために行なった政策を思い出してみると社会主義的な色合いの濃いものが多い。また、会社を公器と考える経営者が多く、株式も乱高下による利ざや儲けの対象ではなく、本来の意味の出資の意味合いが強かったように思う。

 国民の厚生を増進し、国民全体がそれぞれ財産を増やすような政策は、多かれ少なかれ社会主義的色合いを持つが、国民新党はそのような公約を唱えつつも、保守としての位置づけを模索している。
 
 また、極東の狭い国土を持つ我が国は、中国、韓国を敵に回して存続することは不可能に近い。韓国はともかく、中国とは大人の付き合い、友好関係を模索する必要があると思う。その点から考えると、ギャルポ氏の公認は興味深い。
 
 最後に挙げるとすれば、党自身が「若い」ことだろうと思う。公約どおりに国民のための政治を行うか、これから実力を試されることとなるだろうが、すべてが八方ふさがりの現状を考えれば、可能性に賭けるよりほかない。
 
 
 
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 以上、来る参議院選挙を前に、既存政党を概観してみた。今後、選出される国会議員が我が国の独立を守る気構えで真の国益を追求しなければ、この国は大きく右よりに傾いて狂信的になり、知らず知らずのうちに米国に顎で使われる存在に成り下がるような気がしてならない。

 それを阻止するためには、如何にして真っ当な日本人を立候補させるかという問題もさることながら、まっとうな日本人の候補を見分けることも投票する側に要求されているように思える。
 
 
 
 
なお、本コラムは、個人的な考えを元に書いておりますが、もし史実、事実と異なる記述があればコメントいただけると助かります。

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