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第2回日朝首脳会談:もしも...

ひょっとすると、それなりの成功だったのかも..

 マスコミ初め評論家の方々は失敗会談と一様に断じているが、果たしてそうだろうか。援助だけ約束してきて踏んだり蹴ったりだというのが大方の評価だ。小泉降ろしを画策する連中は、これ幸いと「大失敗」と世論を信じ込ませるのに必死である。また、拉致被害者の家族会も「考えられる範囲で最悪の結果」とまで評した。

しかし、

 中国、ロシア、韓国が北朝鮮に対して何らかの援助を行なっている中で、単に拉致問題の解決を盾に日本だけが援助を拒む事は、アジアに於いて日本が孤立することに繋がらないだろうか。

 また、今回の会談によって、

日本に対して米国がどのようなサポートをなし得るのかを判断する良い機会になった
のではないのだろうか。私は、米国は日本をサポートしないと思う。拉致問題の解決の1つに、曽我さんの夫のジェンキンスさんの処遇が懸案であったが、これを米国はあっさりと免除しないと言い、さらには、「米国の司法権は、ジェンキンス氏の「国籍」に左右されないとも指摘」した。

 つまり、米国は、あくまで自国の国益を最優先に考えて、その上で余地があれば日本をサポートしてもよいと考えていることが明白となったと言える。北朝鮮については、核兵器開発とそれが自国に届く可能性だけが米国の関心のように見受けられる。また、米国の司法権は他国を超越するとまで言っており、名実ともに

世界の無法者である

と宣言したにも等しい。今回の首脳会談によって、米国の対応があぶり出せたことは成果と言えるだろう。


 気になるのは拉致被害家族の家族会の動向である。彼らはどのようにこの問題を解決したいのだろうか。一括して解決をと唱っているが、そんなこと実現可能なのだと考えているのだろうか。

 最近の彼らの言動は、拉致された自分たちの家族のためなら、経済制裁を発動すべきだとも言っている。これは、悪く解釈すれば、自分達の家族を戻すためなら、北朝鮮の国民が何百人死のうが関係ないと言っているとも取られかねない。今回の食料援助が北朝鮮国民の末端まで届くかという議論もあるが、今回の援助は国連経由で行なわれるらしい。それ故、食料が末端まで届くと考えたいし、それこそ必要ならば、日本から監視団を送り込むべきではあると前向きに考えたい。

 また、北朝鮮には圧力しか効かないと言っている。これも同じように解釈すれば、いざとなれば戦争も辞さないと言っていると取られかねない。そんなことをすれば、韓国のソウルもさることながら、我が国の大都市やインフラが攻撃されて多くの人間が死ぬ事になる。それでも自分たちの家族を取り戻すためならば構わないと言っているようなものだ。


 彼ら家族会の方々が、このようなことを考えているとは私は信じたくない。また、国民が彼らから距離を置こうとすることも望まないし、支持を失うことも望まない。しかし、今回の首脳会談に対する記者会見はどうだっただろうか。最近の彼らを見ていると、政治に利用されているように感じる。また、米国にも利用されているようにも感じる。それが心配だ。彼らは、いざとなれば米国が後押してくれると信じているのだろうが、私には空しい願いだと思う。

 現実的には、米国はイラクの問題で手一杯で、在韓米軍を削減して振り向けているのだから。さらには、選挙間近になって形勢が悪いようならば、もう一国戦争に引きずり込んで選挙をうやむやにしようとしている素振りもある。その一国は中東のどこかであっても、北朝鮮では無い。北朝鮮における米国のスタンスは、日本や韓国、遠く迂回して中国や北朝鮮に武器を売って自国が儲けることに専念するものと私は考える。


 一方、日本が北朝鮮に対して戦争も辞さずと言ってみたところで、韓国は米国と一線を画する立場を取り始めており、よーく見てみれば、極東において、北朝鮮の味方に中国、韓国、ロシアが居ても、日本に後ろには誰も居なかったということになる。そのような中で、強硬路線がいつまで取れるだろうか。

 また、イラクではサマーワと言えども不穏な状況となって来つつあり、できるだけ早く自衛隊を撤退させることも我が国としては大きな問題の1つである。とすれば、米国との関係は冷却化することは必至であり、北朝鮮問題で米国の威光を当てにすることはできなくなる。

 となれば、ロシア、中国、韓国と共に時間をかけて北朝鮮に対応してゆくことしか方策がないように思う。この点は、FAIRNESSさんのコラム「日朝首脳会談」と意見が一致する点だ。

 興味深い意見がある。「国際戦略コラム」の最新コラム「 1634.小泉首相の北朝鮮訪問」では、首脳会談と時を同じくして国連職員も北朝鮮入りしており、今回の首脳会談には国連が関与しており、米国の威光が地に落ちたと述べられている。

 小泉首相にとって今回の首脳会談の成果は何だったのだろうか。私が考えるところ、どこまで行なえば国民の指示を得ることができるか見極めることが出来た点ではないかと思う。

歴史に「もしも」は禁句だが、

もしも6月に第3回首脳会談を開き、見極めた成果を手にして帰国したならば、国民は熱狂的に小泉首相を迎えることにはならないだろうか。

もしも、6月の六カ国会議の席上で、日本として受け入れうる成果を北朝鮮が持ってきたならばどうだろうか。

もしも、6月には始まると言う不明者の再調査で、あっさりと大半の消息が判明した場合はどうだろうか。


いろいろな可能性がある。それ故、今現在、第2回首脳会談を評価するのは危険だと思う。少なくとも参議院選挙が終わってから、じっくりと評価すべきではないのだろうか。

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コメント

瀬戸さん

トラックバックありがとうございました。

投稿: へのへの419 | 2004.05.26 22:50

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今回の総理訪朝。 北朝鮮側の対応の仕方が、 小泉さんに対して「失礼」というか、 [続きを読む]

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